金物を入れたら大丈夫?耐震について・・
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コラム, 耐震診断・耐震改修工事・耐震の知識
熊本地震の直後に現地に耐震についての視察に参加する機会がありました。
建築基準法を守っているのに倒壊した建物を見ることが出来る貴重な機会でした。
1階が座屈してしまい、2階が押しつぶしてしまった現場です。
1回目の地震にはかろうじて耐えて身を守る事は出来たようですが
2回目以降にこの様な感じになった様です(あくまで聞いた話です)
現在の建築基準法は震度7に一回だけ耐えうる強度しかありません。
ようするに、深度7の地震の跡は、調査をして補強などしないと使用してはいけないと言う事です。
然しながら現在でも多くの木造住宅はこの基準をもとに建てられ続けています。
弊社は京都の条例をもとに簡易構造計算はしてお家を建てています。
長期優良住宅やZEH、3階建ては許容応力計算をしてお客様との相談をしながら
1.5倍や1.25倍の強度の建物を作っています(予算や地域等を考慮しながら納得して頂く事が大事です。)
さて題目の金物は入れたら大丈夫か?ですが・・
写真の様のにホールダウン金物(基礎から柱に直接取付、柱の引き抜きに対応する金物です)
が見事に柱からとれてしまっています。
結論から言えば金物は大事です、でも完全ではありません。
耐震補強の話をすると一部の大工さんや見識の無い工務店、不動産業者は壁を構造用合板や
金物で固めたら補強と勘違いしています。
確かに補強していますし、弱い所に適格に補強していれば良いのですが
結局はバランスなんです。
熊本城が倒壊しなかったのは、基礎が強かった訳でも耐震壁があった訳ではありません。
揺れながらバランスを保ち、揺れることで力を分散していたようです。
特に中古住宅を補強する場合全面的に基礎や壁を解体するのであれば
全体をバランスよく補強すればいいです
でも一部の場合や基礎の補強が出来ない場合や無い場合は
上部だを固めてもこの建物のように座屈やバランスを崩して倒壊してしまう
可能性があります。
その場合などはバランスを取るのですが、この辺りは経験豊富な
工事業者や設計士に依頼して考察しないと難しいです。
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木造耐震診断士
松田
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