中古の住宅診断の義務化は早急すぎないか?
中古の住宅診断の義務化は必要か?
先日の日経の一面に中古住宅の販売時に住宅診断(ホームインスペクション)を義務化する方向で政府与党で検討されている記事が掲載されました。
ホームインスペクション(住宅診断)の普及に取り組んでいる私としては喜ばしい事のように思えますが、このような市場が成熟していない段階での義務化は早急なように思えます。
①一般消費者に認知されていない。
②インスペクターの数の少なさとレベル
③政府主導での導入
以上の3点が大きな問題としてあります。
①の一般消費者が認知していない、または一般消費者が必要としていないこの状況での義務化は、そのままインスペクターの選別する方法や見抜く力に比例します。このままはじまると消費者は求めて無いわけですから、仲介業者の言うままにとりあえずインスペクション行われ、報告書が添付されるだけで、現在の重要事項説明が詳しくなる程度でしょう。やはりインスぺクションは購入者主導で行われる事が肝だと思います。
②現在インスペクションを仕事として行っている会社も少なくインスペクターの数も少なく、レベルもあいまいでスタンダードは確立されていません。主に建築士が兼任で行っており新築はともかく中古住宅診断についてはレベルの低さが問題だと感じいています。
③政府主導で行われるとまたは義務化にするとインスペクションを行える資格者を大幅に増やす為に資格のダンピング安売りが始まる事は今までの例で明らかです。講習を受けて形ばかりの試験を行い能力無い資格者を増やす事でしょう。
前項の②で書いたようにただでさえインスペクターの数もレベルの低いところにこのような事が起こると問題が起こる事は明白です。もう少し市場に任せて発展を手助けする形で入ってくれる事を希望するばかりです。
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